キャプテンコラムCAPTAIN COLUMN

株式会社キャプテン・ユーの社長が
日常生活で感じたことを綴ります。

少年A手記に思う

酒鬼薔薇聖斗、この忌々しい名前は忘れることはない。
1997年日本中を震撼させた戦後最悪の猟奇事件と言っても過言でないだろう。
二人の子供が犠牲になっている。男の子の頭部を切り取って、小学校門前に放置した事件には心底腹が立ち慄然とした。警察に不敵な挑戦状を送りつけ、
筆跡が判らないようにした巧妙な手口には当然、成人男子の犯行だと思われた。
ところが犯人を捕らえてみれば14歳の中学生だったのである。
日本中が驚愕した忌々しい猟奇事件であった。

ところがなんと、その少年Aの手記を出版されることになった。出版の理由として、何か尤もらしいことを言っていたが、100万回綺麗ごとを言っても、納得など出来る筈がない。出版社にしてみれば本音は金儲けに決まっている。
本が売れない時代に初版で10万冊刷っているのが何よりの証拠である。
遺族の気持ちを考えたら許されることでない。

遺族の方が出版の差し止めを要求されていたが当然のことである。18年昔の
思い出したくもない忌々しい事件を、また蒸し返されるのである。それも当の
犯人が赤裸々に当時のことを描いているのである。

少年A に関しては当時の少年法適用が14歳に引き下げられるほど影響の大きな事件であった。残虐な内容からは当然、死刑に相当するものである。
少年と言うだけで死刑にならず、一般社会に出てひっそりと暮らしていたのであろう。それでも過去の事は許されないが、静かに暮らしていてくればいいのにそれを自ら手記の売り込みをして、尤もらしい理由をつけて手記を出すと言う、遺族の方に本当に詫びたいのなら出版は出来ない筈である。かなりの印税収入が転がり込んで来るはずである、全額遺族の方に差出すべきである。それでも1%の償いにもならないと思う。出版界も本が売れない時代で苦しいのは分かるが、これは卑しいことだと思う。これが成功したら今後、衝撃的な事件を起こした犯罪者の手記が続出する可能性がある。近い将来、視聴率が欲しいテレビ番組に少年A酒鬼薔薇聖斗が出演するかも知れない、そこまでして視聴率を取りにいったらテレビは死んだ時だと思う。卑しいことは避けるべきである。

独り言の好きな男より